木が人になり、人が木になる。
アニミズムと今日
ジャンル [宗教・思想・文化人類学]2005年10月20日刊行
A5変形判(122mm×210mm)並製・264頁
定価:本体2,200円+税(税込2,310円)
ISBN 4-903174-02-6 C1014
(→画像をクリックで拡大できます)
人間の存在そのものを問いつめ、そこから人生の奥深い意味を汲み取る
著者は、半世紀にわたり、タイ、ラオス、カンボジア、マレーシア、インドネシア、フィリピン、スリランカ等、東南アジア各地で野外調査(フィールド・ワーク)に従事し、自らの目と耳だけで限りなく対象に近づき、民族の“こころ”を追い求めて来た稀有な文化人類学者であり、人文地理学者である。アジアの森の中から、さらには日常の風景の中から、森羅万象のあらゆる存在に魂を感じ、人間と自然との境界がうすれ、融けこむ瞬間に、時空を超えて、そこに“カミ”が現れるというのである。そうした積年のアニミズム研究から、人間にとって必要な根源的な宗教感覚ないしは宗教性を、現代に甦らせ、私たち一人ひとりの死生観を揺さぶる。独創的思想家の卓抜な論理と絶妙な語り口!
目次
第一部 アニミズムの風景
第二部 カミの所在
第三部 宇宙図の東と西
第四部 コスモスの構造
第五部 飛鳥は飛空
第六部 人間の一生──風にそよぐ梢のような
付論[I] ふしぎの場所、同時空間のフィールドワーク アニミズム体験のこと
付論[II] 存在の深みへ
岩田慶治(いわた・けいじ)
1922年、神奈川県横浜に生まれる。京都大学文学部史学科卒業。同大学院文学研究科修了。タイ、ラオス、カンボジア、マレーシア、インドネシア、フィリピン、スリランカの各地域で調査・研究に従事。大阪市立大学教授、東京工業大学教授、国立民族学博物館教授、大谷大学教授を経て、現在は、国立民族学博物館名誉教授・東京工業大学名誉教授。著書『日本文化のふるさと−東南アジアの稲作民族をたずねて』(角川書店)、『草木虫魚の人類学−アニミズムの世界』(淡交社)、『コスモスの思想−自然・アニミズム・密教空間』(NHKブックス)、『人間・遊び・自然』(NHKブックス)、『カミの人類学−不思議の場所をめぐって』(講談社)、『道元の見た宇宙』(青土社)、『岩田慶治著作集』(全8巻 講談社)