愛と無
自叙伝の試み
ジャンル[比較文化・人生論]2007年2月10日発行
A5判上製・424頁
定価:4,200円+税
ISBN 978-4-903174-10-5 C0098
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生きることを学ぶ、新たに。
世界的シェイクスピア学者、日英に橋を架ける
英文学者によるカトリシズム、叡智の言葉。
生きること愛すること。すべてこの世は一つの舞台。
あるべきか、あるべきでないか、問題はそれだ。
刊行に寄せて
小林章夫(上智大学文学部英文学科教授)
ピーター・ミルワード先生の自叙伝が、一番弟子である安西徹雄先生の翻訳で出版されること、これほどの快事はない。先生はイエズス会の司祭であると同時に、英文学者として多くの後進を育てるとともに、世界に知られるシェイクスピア学者として今日に至っている。しかもこの間にチェスタトンを初めとして多くの研究を発表する一方、英文学やイギリス文化、あるいはキリスト教、日本論など、実に幅広い著作を世に送ってきた。(中略)それにしても宗教者、教育者、そして学者としてのミルワード先生の長きにわたる日々が実に細やかに描かれており、(中略)先生の息吹を身近に感じてきた人々にとっても、あるいは初めて先生の著作に出会った方々にとっても、深く心を動かされる作品であることは間違いない。
ピーター・ミルワード(Peter Milward)
1925年、ロンドンに生まれる。1943年ウインブルドン・カレッジ卒業。オクスフォード大学で西洋古典と英文学を修めた後、1954年来日、以後50余年、日本在住。イエズス会神父、1960年カトリック司祭に叙階。1962年上智大学文学部助教授・教授、東京純心女子大学教授を経て、現在、上智大学名誉教授、ルネッサンスセンター所長。著書 『イギリスのこころ』『イギリス人と日本人』『ミルワード氏の昆虫記』『シェイクスピアの人生観』『ミルワード=日本人への旅』『シェイクスピアと日本人』ほか多数。
安西徹雄(あんざい・てつお)
1933年、松山市に生まれる。愛媛大学文理学部卒業。上智大学大学院文学研究科博士課程修了。英国バーミンガム大学シェイクスピア研究所留学。上智大学文学部英文学科教授を経て、現在、上智大学名誉教授。シェイクスピアを中心として英文学の研究・教育にあたる一方、演劇集団「円」を拠点に演出を手がける。著書 『シェイクスピア──書斎と劇場のあいだ』『シェイクスピア劇四〇〇年──伝統と革新の姿』『仕事場のシェイクスピア──ある伝記の試み』『この世界という巨きな舞台──シェイクスピアのメタシアター』『英文翻訳術』『彼方からの声──演劇・祭祀・宇宙』ほか
訳書 ピーター・ミルワード『イギリスのこころ』ピーター・ミルワード『シェイクスピアの人生観』イアン・ウィルソン『シェイクスピアの謎を解く』シェイクスピア『リア王』ほか