春は花に宿り、人は春に逢う。

生命(いのち)の哲学
〈生きる〉とは何かということ

小林道憲(福井大学教育地域科学部教授)著

ジャンル[哲学・思想・宗教・人生論]
2008年10月10発行
四六判上製・264頁
定価:2,400円+税
ISBN 978-4-903174-19-8 C1010

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現代に求められる深い叡智と哲学すること!
〈生きている〉ということへの理解のために!

羅針盤なき「漂流の時代」、
文明の歪み著しい「異様な時代」を、
どのように生きるべきか。
私たちの“生”のありようを哲学する!
〈現代文明の考察から生(せい)の哲学へ〉

生命(いのち)を大事にする哲学
生きとし生けるものは、宇宙の根源的生命の場に、
生かされて生きている。

現代は〈生きるということ〉が問われている時代だと思います。センセーショナルで、あまりにも不条理な事件が頻発している昨今、わたしたちはどのような心構えで生きていけばよいのか、立ち竦んでいる時ではないでしょうか。
〈生命(いのち)とはなにか〉ということを問い続けてきたわたしの思索は、いわば、〈生きているということ〉をさまざまな局面から理解していく〈生(せい)の哲学〉だと言えます。このような時世だからこそ、軽佻浮薄な世相に迎合せずに、地にしっかりと足をつけ、自分自身の拠り所を求め続けていくことは、価値あることだと言わねばなりません。そのためには、ものごとについて深く思いをめぐらすこと、哲学することこそ必要ではないでしょうか。(本書より)


目次

 プロローグ 哲学のために
I現代について──欲望の体制
欲望のモニュメント/欲望の氾濫/精神なき世界/現代文明の行方
II古代について──大地と生命
生成/豊穣/死/再生と循環
III生命について──環境と持続
生命と環境/生命と持続
IV倫理について──徳の諸相
信頼と非信頼/思慮と勇気
V宗教について──命と愛
命の世界/愛の世界
 エピローグ 哲学へのあゆみ
〈生(せい)の哲学〉──あとがきにかえて

小林道憲(こばやし・みちのり)

1944(昭和19)年 福井県生まれ。
1972(昭和47)年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。
現在、福井大学教育地域科学部教授、
麗澤大学比較文明文化研究センター客員教授。
専攻は哲学・文明論。

主な著書
〈哲学研究〉
『ヘーゲル「精神現象学」の考察』(理想社)
『生命と宇宙』(ミネルヴァ書房)
『複雑系社会の倫理学』(ミネルヴァ書房)
『宗教とはなにか』(日本放送出版協会)
『宗教をどう生きるか』(日本放送出版協会)
『複雑系の哲学』(麗澤大学出版会)
〈現代文明論〉
『欲望の体制』(南窓社)
『われわれにとって国家とは何か』(自由社)
『近代主義を超えて』(原書房)
『20世紀を読む』(泰流社)
『二十世紀とは何であったか』(日本放送出版協会)
『不安な時代、そして文明の衰退』(日本放送出版協会)
『対論・文明のこころを問う』(共著)(麗澤大学出版会)
〈比較文明論・日本研究〉
『古代探求』(日本放送出版協会)
『古代日本海文明交流圏』(世界思想社)
『文明の交流史観』(ミネルヴァ書房)
等がある。

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