アメリカ〈帝国〉の苦境
国際秩序のルールをどう創るのか

ハロルド・ジェイムズ
(プリンストン大学 ウッドロー・ウィルソン・スクール
公共・国際関係学部歴史学・国際関係学部教授) 著

小林章夫(上智大学文学部英文学科教授)訳

ジャンル[経済史・国際関係論]
2009年3月20日発行
四六判上製・296頁
定価:2381円+税
ISBN 978-4-903174-21-1 C0030

(→画像をクリックで拡大できます)

[アメリカによる平和(パクス・アメリカーナ)]
[世界化]は破綻した!

“市場経済原理主義”、“アメリカ金融資本主義”の
崩壊の後で、沈みゆく〈帝国〉のジレンマから何を学ぶか!
新たな世界秩序のルールは、如何にして創られるのか!

アメリカ再生は、どう計られるのか!

1776年、アメリカ建国と、時を同じくして書かれた
アダム・スミスの『国富論』、
エドワード・ギボンの『ローマ帝国衰亡史』に
立ち返り、気鋭の経済史家・国際政治学者の
精緻な分析によるあるべき
「精神の見取り図」(historical and economic perspective)を示す。
「エンパイア」の罠から抜け出し、
敢行しなければならない
「デューティ=義務」とは何なのか!

「アメリカの世紀」の終わりと始まり。
新たな責任の時代とは何か!

ハロルド・ジェイムズ(Harold James)

1956年イギリス生まれ。
ケンブリッジ大学で学んだのち、アメリカに渡り、プリンストン大学ウッドロー・ウィルソン・スクール公共・国際関係学部歴史学・国際関係学教授として現在に至る。
専門はドイツ史とヨーロッパ経済史だが、それだけに留まらず、グローバル化がもたらす経済問題にも大きな関心を抱き、特に1929年の世界恐慌をグローバル化の進行と重ね合わせつつ検討してきた。その意味で、本書にもジェイムズの年来の関心が生かされている。
こうした関心分野を持つ著者は、旺盛な執筆活動を繰り広げているが、多くの論文とともに、著書は20冊を超え、現在、もっとも活動的な歴史家のひとりであり、国際関係論の論客と見做されている。
2006年に発表した本訳書の原著The Roman Predicament: How the Rules of International Order Create the Politics of Empire (Princeton University Press, 2006)は、多くの好意的な書評、紹介に恵まれ、高い評価を得ている。

小林章夫(こばやし・あきお)

1949年東京生まれ。上智大学文学部英文学科教授・博士(文学)。同志社女子大学教授などを経て現職。18世紀のイギリス文学を足がかりに、近代イギリス文化を多彩な視点からとらえる。

主な論文・著書
「憂鬱な詩人 アレグザンダー・ポープと政治諷刺」
『チャップ・ブックの世界』(講談社学術文庫)
『イギリス紳士のユーモア』(講談社学術文庫)
『コーヒー・ハウス』(講談社学術文庫)
『田園とイギリス人──神が創りし天地で』(NHKブックス)
『東は東、西は西──イギリスの田舎町からみたグローバリズム』(NHKブックス)
『おどる民 だます国──英国南海泡沫事件顛末記』(千倉書房)

主な訳書
ヒュー・ジョンソン『ワイン物語』(平凡社ライブラリー)
テリー・イーグルトン『アフター・セオリー──ポスト・モダニズムを超えて』(筑摩書房)
ドミニク・チータム『「くまのプーさん」を英語で読み直す』(NHKブックス)など。

先頭へ