文化としての農業 文明としての食料
ジャンル[農業文化論・農林経済学・農村社会学]2009年7月20日発行
四六判上製・280頁
定価:2,800円+税
ISBN 978-4-903174-22-8 C1039
(→画像をクリックで拡大できます)
農業とは人類普遍の文明である!
日本農業の前途は険しい。
美しい農村とは何か。日本のムラを、地域社会をどうするのか。
アフリカの大地を、日本のムラ社会を、踏査し続けてきた、
第一線の農業人類学者・生物資源経済学者による
“アグリカルチャー”の有り様について考察する
清新な農業文化論!
私たちにとって農業とは何か。農業力とは文化力である!
緊要な課題としての農業再生を考える!
農業や食料の問題は、経済学の側面だけから、
考えるべきではない。少なくとも、短期的に
利潤の最大化を目指すような経済学からだけでは、
考えるべきでない。むしろ、歴史学や、社会学、人類学といった、
より長期的なスパンをもった科学とともに考え、
構築していくべきことなのである。
目次
序章 文化としての農業と地域社会 | |
---|---|
第 I 部 日本の農業と地域社会の変容 | |
第1章 | 日本のムラにおける環境認識の変遷 |
第2章 | 村の祭りとその変貌 |
第3章 | けんか祭りと岩瀬もん──地域社会はいかに出現するか |
第4章 | 農村地域における文化装置とツーリズム |
第5章 | 富山の焼畑農業 |
第6章 | 有賀喜左衛門と石神村の変容 |
第 II 部 文化としての農業、文明としての食料 | |
第7章 | 「美しい農村」とは何か |
第8章 | 文明としての食料生産 |
第9章 | ブラシカ(アブラナ属)からみる世界 |
第10章 | 「城壁のない都市」京都の都市農業 |
第 III 部 日本のアフリカ研究 | |
第11章 | アフリカ農業・農学研究の歴史と現在 |
第12章 | アフリカ地域研究の変容と今後の可能性 |
第13章 | 腕輪の貨幣──コンゴ東部農耕民社会における腕輪、食べ物、家畜 |
終章 文明としての農業と食料の未来 | |
あとがき |
末原達郎(すえはら・たつろう)
1951年生まれ。京都大学農学部卒。
京都大学大学院農学研究科博士課程研究指導認定。
農学博士(京都大学)。富山大学、龍谷大学を経て、
2004年より京都大学大学院農学研究科教授。
生物資源経済学・農学原論専攻。
主な著書
『赤道アフリカの食糧生産』(同朋舎出版、1990年)
『現代日本の農業観──その現実と展望』(共著、富民協会、1994年)
『アフリカ経済』(編著、世界思想社、1998年)
『フィールドワークの新技法』(共著、日本評論社、2000年)
『持続的農業農村の展望』(共編著、大明堂、2003年)
『人間にとって農業とは何か』(世界思想社、2004年)など。