ブックレビュー

「日本精神史」に関するレビュー

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マクロコスモスの中にミクロコスモスをみる。
親鸞や千利休に絶対の個体主義をみる!
類書なき日本精神史!
シュタイナーの人智学の観点があればこそ!

 上松佑二氏の『日本精神史』を一読、いわゆる日本思想史に関する類書にはない特徴をもった日本精神史だという感想をもった。古代から現代まで簡潔に論述されていて大層読みやすく、決して堅苦しいものではない。それもみなシュタイナーの人智学の観点があればこそだとも思えた。
 ミクロコスモスの中にマクロコスモスをみ、マクロコスモスの中にミクロコスモスをみるというところで一貫していたところが散乱を防いでいる。
 親鸞や利休に絶対の個体主義をみる点も教えられるところがあり、これもマクロコスモスの中でみられていればこそである。
 神儒仏に源泉をもつ日本思想を、単に日本思想にとどめずキリスト教とも連結をとって叙述されている点が本書に普遍性を与えている。

小林道憲(こばやし・みちのり。哲学、文明論。元福井大学教授。著書に、「著作集〈生命(いのち)の哲学〉コレクション」全10巻(ミネルヴァ書房)など)

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